妊娠に向けた性交渉のベストなタイミングは?

2019.6.11

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妊娠を希望しているのになかなか妊娠できないと、気持ちが焦ってしまったり、あれこれ悩んでしまいがち。いつ性交渉をすれば妊娠しやすいのか、タイミングについても疑問が湧いてきますよね。今回は、妊娠の確率が上がるとされる性交渉の時期について解説します。

最も妊娠しやすいのは排卵日の1〜2日前

妊娠は精子と卵子が受精することから始まるので、女性の体内に両者が同時に揃う排卵日(月経のおよそ14日前)がベストタイミングでは、と多くの方が考えているかもしれません。しかし、実際には排卵日の1〜2日前の性交渉が最も妊娠する確率が高いことが明らかになっています。

排卵に向けた性交渉のタイミングと妊娠率を調べた研究(human reproduction1998年2月号掲載)によると、妊娠率のピークは排卵日の2日前で、排卵日の翌日には妊娠率が急激に低下していました。排卵された卵子の寿命は短く、半日から1日程度で受精する力を失ってしまう一方、精子は卵子と比べ長生きで、平均3〜4日は卵管内で受精する力を保つと言われています。ですから、実は排卵日よりもその1~2日前に性交渉を行うことが、妊娠への近道なのです。

【排卵日とタイミング法の時期と妊娠率(n=221)】

排卵日とタイミング時期の妊娠率●:全体の妊娠率 ○:臨床的妊娠率 Wilcox AJ et al., Hum reprod 1998

排卵日や妊娠しやすい時期を調べるには?

自分の排卵日と妊娠しやすい時期を知るためには、基礎体温を測定したり、薬局で売っている排卵検査キットを使用するという方法があります。

基礎体温の測定は、自分の月経周期やきちんと排卵できているかを知るためにとても重要です。個人差はありますが、排卵日の2、3日前から「黄体ホルモン(プロゲステロン)」の作用によって基礎体温が上昇しますので、毎朝の測定は性交渉のタイミングを把握するのに役立ちます。

排卵検査キットは、尿の中に含まれる黄体形成ホルモン(LH)の分泌量が排卵直前に急激に増えること(LHサージ)を利用して排卵日を予測するツールです。月経周期が28日の人の場合、次の月経開始予定日の17日前から検査を始めて、最初に陽性になった約40時間以内に排卵が起こると言われています。ですから、排卵検査キットで陽性反応が現れたタイミングで性交渉をすると、妊娠する可能性が高くなります。ただし、黄体形成ホルモンは排卵以外の時にも増えることがあり、使う検査キットによって感度が異なるので、注意が必要です。

適切なタイミングを知ることが妊娠への第一歩

基礎体温や排卵検査キットは妊娠しやすい時期を調べる手がかりとなりますが、そのタイミングに性交渉をしたからといって、確実に妊娠できるというわけではありません。逆に、「今が妊娠のチャンスだから性行為をしなければ」というプレッシャーが夫婦間のストレスになると、ますます妊娠が遠ざかることになりかねません。

そうしたストレスのためにタイミング法での妊娠が難しいと感じた場合、パートナーとともに不妊治療専門のクリニックを受診するという選択肢もあります。クリニックでは基礎体温や月経周期、超音波検査などから排卵日を予測した上で、適切なタイミング法のアドバイスを受けることができます。

一方、日本産婦人科医会によると不妊の原因がはっきりしないカップルの場合、タイミング法を始めてから6カ月でおよそ50%が妊娠するとされていますが、その後は2年かけても妊娠率は60%程度にとどまってしまうため、およそ1年をめどに人工授精といった次のステップに進んだほうがよいとされています。

妊娠を希望している場合、まずは確率が上がるとされる性交渉の時期を知って、パートナーとも相談しながら自分自身でタイミング法を試してみましょう。それでも妊娠が難しい場合は専門のクリニックを受診して、医師やカウンセラーからのアドバイスを受けてみましょう。その上で、1年以上にわたって不妊の状態が続き、タイミング法での妊娠が難しいと判断した場合、あらためて不妊治療のクリニックを受診して、人工授精などの方法を検討してみてはいかがでしょうか。

(文/メディカルトリビューン編集部)