妊活するなら、まずは「ブライダルチェック」を

2019.11.21

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婦人科などで実施されている「ブライダルチェック」をご存知でしょうか?ブライダルチェックとは、妊娠を望む女性がさまざまな検査をセットで受けられるものです。「ブライダル」という名前から結婚を控えた女性が受けるものと思われがちですが、結婚後に妊活を始める前、あるいは妊活をしても妊娠しにくい場合などに自分の身体の状態を知るために受けておくことが勧められます。ここでは、ブライダルチェックの内容について解説します。

ブライダルチェックって何?

ブライダルチェックは、妊娠・出産の妨げになる病気や赤ちゃんに感染する可能性がある細菌・ウイルスを持っていないかどうかを調べる検査で構成されています。現在、多くの病院の婦人科やレディースクリニックなどで実施されており、「プレママドック」と呼ばれることもあります。

検査は1回で終わる場合がほとんどですが、異常が見つかった際には同じ病院やクリニックで治療を受けた方がスムーズであることを考えると、通院しやすい医療機関で受けるのがおすすめです。

ブライダルチェックの検査内容は

ブライダルチェックで実施されている検査内容は医療機関によってさまざまです。ここでは、多くの医療機関で実施されているブライダルチェックの基本的な流れと検査メニューをご紹介します。

1.問診票に記入

ブライダルチェックは、まず問診表への記入から始まる医療機関がほとんどです。主な記入項目は「初経を迎えた年齢」「前回の月経の開始日」「月経の周期」「持病の有無」「病歴」「アレルギーの有無」「妊娠経験」「出産経験」「流産または人工中絶の経験」など。あらかじめメモしておくとスムーズです。もし基礎体温を付けているなら、基礎体温表も持参すると良いでしょう。また、妊娠や出産の経験がある人は母子手帳を持参しましょう。

2.検査を開始

問診が終わるとさっそく検査が始まります。内容は医療機関によって異なり、赤ちゃんに影響する可能性のある感染症の検査や、妊娠・出産に影響する可能性がある病気を見つけるための検査など、目的に応じて複数のメニューを用意している医療機関もあります。ここでは、そのうち代表的な検査内容を紹介します。

・内診(膣、子宮、卵巣の状態をみる)

内診は下着を脱いで診察台に座り、脚を広げた状態で行われます。医師が膣から指を入れ、もう片方の手でお腹の上を押さえて触診し、子宮や卵巣の位置、大きさ、子宮内膜の状態などを確認します。初めての人には抵抗があるかもしれませんが、深呼吸して身体の力を抜いた状態で診察を受けましょう。力が入っているとかえって痛みを感じてしまうことがあります。

・経腟超音波検査(子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣嚢腫の有無を調べる)

超音波検査にはさまざまな方法がありますが、ブライダルチェックでは経腟法と呼ばれる方法で実施されます。これは、診察台の上で膣から器具を入れて子宮や卵巣の状態を調べるというもの。不妊の原因にもなりうる子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣嚢腫といった病気の有無を確認することができます。

・がん検診(子宮頸がん、乳がんなど)

子宮頸がん検査は、膣の中から入れた綿棒やブラシなどで子宮頸部をこすり、粘膜の細胞を採取して調べるものです。近年、日本の若い女性の間で子宮頸がんの罹患率が増加傾向にあるため、子どもを希望するかどうかにかかわらず性経験がある全ての女性が受けるべき検査だといえます。

・血液検査(性感染症検査や風疹抗体検査、肝炎ウイルス検査、甲状腺検査、貧血検査など)

血液検査では、梅毒やHIVなどの性感染症、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの感染の有無を調べることができるほか、風疹やはしか、おたふくの抗体価を調べることができます。また、甲状腺ホルモン値や貧血の有無、肝臓や腎臓の機能、血糖値などを調べる場合もあります。

・おりもの検査

膣からおりものを採取し、クラミジアやトリコモナス、淋病などの性感染症にかかっていないかを調べます。特に、性感染症の中で最も多いクラミジア感染症は不妊の原因にもなるため、早めに発見してパートナーと一緒に治療を受ける必要があります。

ブライダルチェックの費用はどれくらい

先述したように、検査内容は医療機関によって異なるため料金にも幅がありますが、2万~5万円程度の病院が多いようです。検査項目の中には企業や自治体の健診でも実施されている検査が含まれていることもあるため、健診で受けられるものは受けて、ブライダルチェックでは必要な検査のみを受けるようにすれば、費用を抑えることができる可能性があります。

また、医療機関によっては女性だけでなく性感染症検査や精液検査など、男性のためのブライダルチェックも実施しています。女性には異常がなくても、男性が原因で妊娠しにくくなる場合は少なくないため、できればパートナーにもブライダルチェックを受けてもらいましょう。

(文/メディカルトリビューン編集部)